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神吉信之のロカマニ日記
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ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州代表として奮闘中の神吉信之さんのコーナーです。神吉さんは福岡在住のジャーナリスト。「ローカル・マニフェストを片手に日本を変える」。そんな思いを胸に、九州各地で公開討論会を仕掛ける神吉さんの日々を日記風にご紹介します。公開討論会のエピソードや神吉さんの仲間たちも登場します。
 どげんすっとか宮崎は!! (2007/12/12)
「マニフェストで宮崎が変わる!日本が動く!! 県民総力戦!〜どげんすっとか宮崎は!!〜」という大会を共催という立場で12月2日(日)に開催しました。今回はその報告をしたいと思います。

前日の1日(土)は、北川さんと一緒に福岡都市圏&若手議員の会のマニフェスト研修を福岡で行い、北川さんは空路で、私は陸路で宮崎へ入りました。飛行機で行くとわずか35分ほどで宮崎に到着しますが、バスでは4時間はかかります。3日前にチケットを購入しようと航空会社へ電話すると、すでに満席。やむなくバスで行くことになったのですが、これも東国原効果ですね(苦笑い)。観光客がどっと宮崎へ押し寄せている証拠と言えます。県庁も観光地化していて、県庁を訪れると、必ず2、3台観光バスが留まっていて、県庁内ではいつも観光客が徘徊している(笑い)状態です。県庁職員によれば、「東国原知事が就任してからというもの、このような感じで、最初は戸惑いましたが、これも宮崎県をPRするチャンスと捉え、今では慣れました」ということです。

ところで、九州では、(というより恐らく全国的に)普通この手の大会は、青年会議所が主催し、LM推進ネットワークが協力するという形が大半ですが、今回は東国原知事が誕生したことで生まれた「愛みやざき」という若手県議の会派(新人議員4人で3番目に多い)に、「維新塾」という超党派の市町村の若手議員連盟、商工青年ネットワーク宮崎、日本青年会議所九州地区宮崎ブロック協議会が主催、日向学院PTA、宮崎県婦人連絡協議会、女性の声を活かす会、それに、LM推進ネット九州が共催という形で開催されました。

今後、評価・検証へと展開する上で、議員と各種団体が主体となって行うケースは全国的にも珍しいと思いますので、面白い事例が作れそうです。

また、高校生がパネリストの一人として参加されましたが、しっかりとした口調で海外留学制度、国際ボランテイアについて、語っていました。未来の有権者を育てる意味でも、良い取り組みとなりました。会場にも学生が200人ほどはいたと思います。

しかしながら、知事フィーバーは物凄いですね。マニフェストというお堅い内容にもかかわらず、約1千人の県民が集まりました。県民支持率94%が物語っています。学内でも学生の手によって描かれた知事の絵が大きく飾られていて、知事の人気ぶりが伺えます。

それに、知事の行くところ、笑いが絶えません。東国原知事が登壇すると、場の雰囲気がパッと明るくなりました。求人倍率0.65が象徴するように、状況は決して明るくないのですが、東国原知事が誕生して、雰囲気が明るくなったと、県民の皆さんは口を揃えて言いますが、これこそが最大の東国原効果といえます。私も普段はお堅いコーディネイトなのですが、自然と冗談を交えながら進行していました。すっかり知事のペースにはまっていました(笑い)。

さて、最初は、東国原さん、北川さん、私のリレートークです。話し出したら止まりません。(笑い)。普段は躊躇なくズバズバと話を遮る私も、今回ばかりはさすがにタイミングが難しかったですね。10分でというところ、20分は話していたと思います。「選挙や政治を変えようとマニフェストを掲げたものの、宮崎県民に受け入れてもらえるか、最初は不安でした」と語られましたが、その後、私が、「公開討論会を境に、流れが変わり、マスコミ報道も政策中心に変化した」と、マニフェスト型公開討論会の影響力を強調しました。それに、北川さんも同調し、「マニフェストが勝たせてくれた」と、選挙時でのマニフェスト効果を振り返りました。

その後、庁内でのマニフェストの管理・運営などマネジメントについての話に移りましたが、「副知事とのコミュニケーションを密にして、部局長との政策合意で庁内マニフェストで目標管理をしている」とのことでした。
就任後、3カ月ですぐさま県の総合計画「新みやざき創造計画」を策定。行財政・入札改革を除くマニフェスト全61項目のうち57項目を盛り込んでいます。積み上げ式からトップ・ダウン方式で補正予算化、6月定例議会で補正予算案も可決されています。「行財政改革大綱2007」も完成させています。「このような素早い対応ができたのもマニフェストのおかげ」と、知事が就任後のマニフェスト効果について、リーダー・シップとスピード・アップを挙げられました。
最後に、北川さんが、評価・検証の重要性を話され、リレー・トークは終了しました。

次に、6人のパネリストが加わり、ディスカッションがスタートです。

まずは、各々のパネリストに、知事がマニフェストを掲げて当選したことで、どんな変化を感じ、何に期待するのか、話してもらいました。次に、関連するマニフェストを1つ選び、推進する意味で提案する、という流れです。

トップバッターは「愛みやざき」。「選挙が変わり、政治が変わった。議会も変わらないと」と議会改革の必要性を訴えました。北川さんが、議会改革には事務局強化も含め、まず執行部がしっかりすることなど、三重県議会での改革の話に触れました。東国原知事は、「与党も野党もなく、政策合意できるところはウエルカム」みたいな発言だった、と思います。

全国各地の地方議会で政務調査費の使途について問い質される中で、9月議会で、来年4月支給分から1円以上の領収書を添付することに合意。最大会派の自民党は、県職員OB1人を会派独自の政策立案スタッフとして採用するなど、議会改革に向けて歩を進めています。これも知事効果と言えます。

商工会青年ネットワークは、「佐賀県のトライアル発注で新規参入と人材育成の促進」を提案しました。知事は「やるつもりだった」と即答し、めでたし商談成立(笑い)でした。
宮崎経済同友会ではマニフェスト研究を始めるなど、商工界も東国原効果を最大限に活かそうと動いています。

女性の声を活かす会は、子育て・女性支援日本一の福井県の事例を紹介しながら、女性の支援や社会進出に関して、でした。北川さんがどんな反応を示すのか・・・興味があったのですが、三重県時代の話を交え、定住人口を増やすためにも、子育て、女性支援は大切と語られていました。ちなみに宮崎県の審議会・委員会の女性比率は全国で第5位です。

日本青年会議所九州地区宮崎ブロック協議会は、東自動車道の早期開通に関してでした。知事が一番力説した項目かもしれません。熱弁を奮い、「私は後何分話ができますか」と途中で聞いていました(笑い)。
北川さんは地方分権の推進を力説され、「中央任せではなく、地方のことは地方で決められるようにならないといけない。そのための地方分権だ」、とコメントしました。

高校生は、海外留学制度の充実に関してです。英語のスピーチから入ったのには、驚かされました。とても素晴らしいスピーチで、それもそのはず、英語スピーチ・コンテストの入賞者でした。知事は「人材育成こそ大切」と、ここでも熱弁を奮い、「インターン・シップ制度の充実」を言われました。

最後は、宮崎維新塾です。県からの権限や財源移譲で、市町村の自立を訴えました。岩手の事例を挙げ、県に集中する人材を、県から派遣という形で市町村の人材育成も図りながら、地域分権を進めることを提案しました。
宮崎県は全国でも限界集落が多い県で医療問題など、市町村にとって、重い課題となっています。知事は、都市と地方の税源偏差や地域間格差是正について訴えていますが、市町村に自立を促しつつ、連携強化を図り、どんな自治システムが宮崎県に適しているのか、これから探ることになります。

この後、第2部では「宮崎維新塾創立10周年記念式典」が開かれ、北川さんと私が講師として招かれました。想定内でしたが(笑い)、残ったのは250人ほどでした。大半が 知事物見が目的ですから。

でも、北川さんが「分権時代のマニフェスト」、続いて、私が「マニフェストから始まる地方分権」という演題で話をしましたが、最後まで真剣に耳を傾けていました。高校生も数十名残っていましたが、彼らがきっと「宮崎をどけんかする」と、期待しています。

PS)PM7時17分。4時間バスに揺られ、帰路福岡へ。皆さん、大変お疲れさまでした。来年は検証・評価に向けて、頑張りましょう!

 ■略 歴■
 神 吉  信 之(かんき のぶゆき)
 1957年11月4日生まれ、福岡在住のフリー・ジャーナリスト。
 米国スタンフォード大大学院ジャーナリズム学科修了。
 元北米毎日新聞サンフランシスコ支局記者。
 現在は、福岡県在住で、選挙情報専門サイト「Election」の
 コラムニスト、ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州
 代表、ラジオ、テレビの選挙・政治専門のコメンティター、
 NPO活動等幅広い活動を行っている。
 著書に、『21世紀の日本人たちへ・・・』(文芸社)など。
 < 専 門 > 政治、選挙、公共政策・経営、NPO、まちづくり、地域通貨

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