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神吉信之のロカマニ日記
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ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州代表として奮闘中の神吉信之さんのコーナーです。神吉さんは福岡在住のジャーナリスト。「ローカル・マニフェストを片手に日本を変える」。そんな思いを胸に、九州各地で公開討論会を仕掛ける神吉さんの日々を日記風にご紹介します。公開討論会のエピソードや神吉さんの仲間たちも登場します。
  「長崎県初のマニフェスト型公開討論会を開催しました(1)」 (2006/9/25)
8月24日(木)、長崎県大村市へ行きました。9月10日(日)に長崎県初のマニフェスト型
公開討論会が大村市長選で開催されるので、その支援が目的です。九州では20回目となります。

大村へのアクセスは、博多駅から長崎行き特急「かもめ」で諫早へ行き、そこから大村線に乗り換え2駅目が大村駅です。博多から2時間弱で到着です。


ここでの主催は、大村青年会議所メンバー中心で結成された有志の会です。現職の息子さんが
JCメンバーで、加えて新人候補が大村青年会議所のOBということで、大村青年会議所の主催を
断念しました。中心となって動いてくれているのが直前理事長の北村さんです。

彼は、3月に開催された宮若(福岡県)市長選でのマニフェスト型公開討論会を見学して、
是非大村でも開催したいと思っていたそうです。その後、推進ネットワーク九州に連絡があり、
私からの誘いで今では長崎県でただ一人の推進ネットワークのメンバーになりました。

九州ではマニフェスト型公開討論会が活発に行われ、その大半が青年会議所主催か、このように青年会議所のOBも加わっての有志の会を結成して、開催されるケースが大半です。また、ブロック協議会もマニフェスト担当委員を設け、お互いに情報交換を活発に行っています。4月の福岡県
飯塚市長選でのマニフェスト型公開討論会では、約50人ほど他青年会議所から見学があったと
聞き、その拡がりに感心しました。

午後12時30分。大村駅に到着。北村さんが出迎え、そのまま市役所へ。午後13時。市長と面会。大村市の松本崇市長は、長崎県でただ一人のローカル・マニフェスト推進首長連盟の加盟者。
一度市長になられ、収賄で逮捕。異例ですが、2002年に返り咲きを果たしています。

ローカル・マニフェストの意義とマニフェスト作成方法を私が説明し、北村さんが討論会の趣旨説明と当日のタイムスケジュール、注意事項など、討論会に関することを説明。既に渡していた
マニフェストの統一フォーマットは埋められていて、アドバイスを求められましたが、そこで
タイムリミット。持ち帰って後日連絡することに。

午後16時。新人候補の野口けんじ元県議と後援会事務所で面会。同様の説明をする。立候補表明の理由を聞くと、今まで労組と組んだ候補者が当選していて、その癒着構造を断ち切りたい、
とのこと。彼も収賄で以前逮捕された経歴があると、後でマスコミから聞かされた時は驚きましたが、「市民は冷めています」との言葉に、これでますます討論会の意味があるぞ、と心密かに
闘志が燃えてきました。

本来、合同事前説明会を開き、そこにマスコミを入れ、その後に記者会見を開く、という段取りをします。マスコミを絡ませることで、立候補表明者は真剣になる。マスコミも立候補表明者が揃った絵が欲しい。という理由からです。

今回は立候補表明者との時間調整が旨くいかず、各々と対面して説明することに。記者会見も
両者のマニフェストが完成してから、そのマニフェストを携えて開くことにしました。

また、合同事前説明会の席で、ローカル・マニフェスト推進の目的は、行政計画を官主導から
民主導へかえること。マニフェスト・サイクルを回して、自治体改革を行うこと。そして、マニフェスト型討論会は、そのための第一歩であること。しっかり理解してもらい討論へ挑んでもらいますが、今回はどこまで伝わったか、懸念されます。<

午後19時30分。有志の会向けにマニフェストの勉強会を開く。主催者側にマニフェストの意義をしっかり伝えることは私のミッションの一つですが、そうすることで、マニフェスト型公開討論会への取り組み姿勢が整ってくる、と同時に来年以降の評価・検証へとつなげることができます。質疑応答も含め、不安材料をできるだけなくすことが大事です。

午後21時30分。勉強会が終了し、懇親会へ。私はできるだけ懇親会にも顔を出すようにしていますが、その席で主催者側と親しくなり、一体となって公開討論会の成功と、それ以降の評価・検証へ心を一つにして取り組む姿勢を確認し合う場として考えています。


さて、選挙戦ですが、現職と新人候補の一騎討ちで、ここでの最大の課題は財政再建です。
大村市は、競艇発祥の地として知られていますが、今まで競艇事業の繰入金(総額570億円)に
よって高福祉政策を維持し、県下でも住みやすいまちとして人口も増え続けてきました。

ですが、どの自治体でもそうであるように、バブル崩壊後は打出の小槌であったその競艇事業の収益が悪化し、平成14年にはついに繰入金がストップしました。昨年度はGSレース(競馬でいう
G1レース)の誘致により黒字を維持できていますが、見通しは決して明るくありません。

また、市立病院も累積赤字69億2千万円を抱え、その存続が問われています。

全国の同規模自治体の指標を100としたとき、平成16年度の大村市の扶助費は150.4で、
公債費は126.1と突出しています。

このままでいけば、2011年には市が抱える累積赤字は40億円に達し、翌年の2012年には国の
管理下に置かれる「準用財政再建団体」へと転じます。

明るい兆しもあります。

大村には空港もあり交通の利便性が高いということもあり、企業誘致の候補として高く評価されつつあります。ハイテクパークには、コマツ電子金属などが進出。分譲率は95.5%です。だだ、
工業用水不足をどう解消するのかが残る課題です。

このような情報収集はどのようにしているのか。私の場合、まず地元の新聞記者へヒアリングします。関連記事もお願いします。行政職員(企画と財政)へもヒアリングをします。必要な
市政関連資料もその際にお願いします。

また、総務省のHPから「市町村財政比較分析表」がダウンロードできます。ここには、財政指数面、歳入面、歳出面で、全国の同規模自治体(類似団体)と比較して、相対的にどのような状況にあるのか、見ることができます。


翌朝、午前9時、大村駅から帰福。

 ■略 歴■
 神 吉  信 之(かんき のぶゆき)
 1957年11月4日生まれ、福岡在住のフリー・ジャーナリスト。
 米国スタンフォード大大学院ジャーナリズム学科修了。
 元北米毎日新聞サンフランシスコ支局記者。
 現在は、福岡県在住で、選挙情報専門サイト「Election」の
 コラムニスト、ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州
 代表、ラジオ、テレビの選挙・政治専門のコメンティター、
 NPO活動等幅広い活動を行っている。
 著書に、『21世紀の日本人たちへ・・・』(文芸社)など。
 < 専 門 > 政治、選挙、公共政策・経営、NPO、まちづくり、地域通貨

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