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知事・市長村長連合会議メンバーのコーナーです。
それぞれのメンバーの改革にむけた思いをお伝えします。

   『道 州 制 の 導 入 に 向 け て』                                 
                                                 和歌山県知事 木村良樹 (2006/3/17)

 第28次地方制度調査会が「道州制のあり方」に関する答申を小泉首相に提出した。答申の注目すべき点は、国と地方双方の政府を再構築することによって、国は本来果たすべき役割を重点的に担い、内政は広く地方自治体が担うという新しい政府像を確立するための具体策として「道州制の導入が適当」と答申した点である。
私は、かねてから、道州制の議論は都道府県合併や単なる権限移譲の延長にとどまらず、わが国の統治のあり方を抜本的に改革するものであると訴えてきた。そうした意味から、首相の諮問機関である地方制度調査会が「道州制の導入が適当」と答申したことは、画期的なこととして評価したい。答申をとりまとめる最終段階では、専門小委員会で委員に配付された答申案が委員会終了後回収されるほど、答申案は厳重に管理され練り上げられた。その背景には、道州制についての意見や考え方が種々分かれていたということがあったのではないだろうか。そうした最終調整の結果提出された答申を政府は真摯にまた重く受け止め、今後、当事者である我々地方と一体となって道州制導入の具体的検討を進め、実現に向けた新たな一歩を踏み出すべきである。

道州制の導入については、全国の知事の間でも意見が分かれており、積極論・消極論いろいろある。先に時事通信社が実施したアンケート調査を見ると、地方分権の更なる推進や国と地方の行政の効率化が図られることなどを理由として、導入に積極的な知事が多数を占めている。一方、導入に消極的な知事は、今回の三位一体の改革がそうであったように、中央省庁が権益を手放さず、都道府県の規模の拡大、つまり強制的な都道府県合併のみに終わるのではないかと危惧し、まずは現在の都道府県に国の権限や財源を移譲すべきであると主張されている。私も、道州制は真の分権型国家を実現するために導入するのであり、単なる都道府県の規模の拡大であってはならないと考えている。
そういう意味で道州制を現実に導入するためには、中央省庁の解体再編を含めた行政システムの見直し、地方自治体の条例制定権の拡充・強化、自主性・自立性の高い税財政制度の構築など、今後解決しなければならない課題が多く残されている。それらの課題をひとつひとつクリアしてこそ、この国の新たなかたちが生まれるのである。

例えば、東京一極集中を是正し、地域が活力をもって自立し地域力を発揮するためには、それぞれの地域に核となるエンジン(地域の中心で熱く活動し、その効果を地域の隅々まで波及させる力をもった都市)が必要である。中央集権型行政システムのもとでは、日本は東京というひとつのエンジンで動いてきた。地方の道府県には残念ながらエンジンがなかった。道州制の導入により、各地にエンジンが配置され自立した圏域が作られ、住民サービスが向上した分権型社会となることを期待したい。
また、道州制の導入は、中央省庁やその地方支分部局の解体再編、重複する事務の統合などをもたらし、国・地方を含めた行政の組織・人員の大幅なスリム化が可能となる。現在、施設整備から準備・運営まで一つの県が単独で行っている国民体育大会などの行事についても、広域的な観点から施設の有効活用が図られ、事業の効率的な運営を行うことができるなど、行財政改革にも寄与するものと思われる。
 
いずれにしても、今後、道州制の議論はますます活発化するものと思われる。道州制の議論は、この国のかたちを根本的に変えるものであることから、多くの国民が自分たちの地域がどうすれば元気になるのか、この国のかたちはどうあるべきか、真剣に考え具体化していくことが、活力ある日本を取り戻す原動力になるのではないだろうか。
 
■木村良樹  略 歴■
木村知事の略歴はこちら
http://www.kimurayoshiki.jp/profile.html

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